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スレッド名:
投稿ID:796248
名前:蹴人
コメント:
在宅勤務でも暇なときと忙しいときの差があるんだよ。。。
ちゃんと最後まで書ききるぜ
NGワードもあってなかなかアップできねーし

では続きを





ひっくり返ったすき焼きは、B君の下半身にかかった。
B君母は叫ぶと同時にB君に駆け寄って、まだ熱いすき焼きを手で払いのけ、ズボンを脱がした。
若手コーチは拭くものを探すため、キッチンへ。
B君は熱さと事の大きさに慌てふためいていた。

若手コーチが、氷を!と叫び、B君母は急いで氷を用意した。
B君の太腿から膝にかけて、すき焼きを浴びた箇所が真っ赤になっていた。
特にハーフパンツからはみ出た膝の上部分はケロイド状になっており、皮がはがれている。
若手コーチは、救急車呼びましょう!と言い、B君母は大きく呼吸をした後、冷静に119番へ電話した。

B君宅はすぐ近くに商店街があり、閑静な住宅街とは言えないまでも、救急車が止まればやはり目立つ。
救急車は通報から8分程度でB君宅に到着。
近所の住民や商店街で買い物していた人達の注目の的となった。

そこにA君母もいた。
A君母は今日の噂とB君母が練習見学に来ていなかったことを心配し、買い物ついでにB君宅を訪ねようとしていた。
A君母は、救急隊員がB君宅の前にいることで、すぐに事態が飲み込めなかった。
知人である自負から、救急隊員のそばに近寄るとB君母がいたので、事情を聞いた。

B君母は、目の前にA君母がいたことに驚いたが、B君が火傷を負った事を伝え、念のための救急治療だと説明。
しばらくすると、もう一人の救急隊員とB君、そして若手コーチが玄関から出てきた。
B君は、素足にサンダル、腿の辺りにバスタオル姿だったが自力で出てきたので、野次馬がいる騒ぎほど重症ではないと思ったが、A君母は若手コーチの存在は理解が出来なかった。

噂は本当だったのか。。。

そう思ってしまうのが自然だが、若手コーチもB君母も、それほど焦った様子が無い事が、A君母の想像を狂わせていた。
治療後の状態を教えてもらう事を約束し、3人が救急車で搬送され、A君母は帰宅した。

病院ではB君の治療が行われていた。
診察時も若手コーチは付き添っていたため、父親と思われるのは当然だった。

幸い、B君の火傷は深刻ではないが、感染症を考慮し、今夜だけ入院して、以降は抗生剤と火傷箇所へ塗布する軟膏で治療する事となった。
サッカーは皮膚の再生状況次第で可能との事で、3人は安堵した。

若手コーチは医者からその話を聞いた後、B君に、頑張れよ!上半身は鍛えておけよ!と、言って、僕は帰ります。と告げた。
B君母は、若手コーチを玄関まで送り、招待したにも関わらず、こんなことになったことを深く侘び、安堵感もあったのか涙が溢れ、流れてしまった。
こんな時に泣かれてしまったら、たまったもんではない。ましてや焦がれた女性が弱々しさを見せてしまったのだから、そのまま帰れるはずも無い。
若手コーチは思わず抱き寄せ、何も心配する事ありません。と、耳元で呟いた。
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