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投稿ID:807712
名前:蹴人
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立て続けに




C君母は、来年お世話になる事などで軽く挨拶を済ませると、サッカーの話はさておき、フレンドリーにコミュニケーションを図った。
小太りコーチって、俳優の〇〇に似てますよね。言われた事無いですか?私、昔から好きなので、しゃべり方とか雰囲気とか、似せてるんじゃないですか?
腕も逞しいから、ドキってしちゃいます!
などと、相変わらず男の中に入り込む術を使って、小太りを気分良くさせていた。

遅れてA君母が2人に挨拶し、C君母に紹介された。

小太りは
Aの母親ですか!Aはチームでもよく噂にあがりますよ!
足の速さは上の学年でも通用するって聞きましたよ。

A君母は
私はあまり子供のサッカー見てなかったので、よくわからないんです。
まだサッカー始めたばかりなので、みんなの迷惑ににあっているんじゃないかと冷や冷やです。

すかさずC君母が、
足はどうしたら速くなるんですか?
うちの子は運動会ではそこそこ速いんですけど、それでも2位とか3位なんです。
A君なんて、ずっと1位なんじゃない?

A君母は、
足だけはそうかも知れないんですけど、普段からおっとりしてるので、とても運動しているようには見えないんですよ。

小太りが、
まだこれから身長は伸びるから、走りやすいフォームで走ってればいいんですよ。
トップスピードも大事ですが、初速のダッシュ力も大事です。
とにかく足の回転を・・・

と、言いかけたところでC君母が、
あ、もう本部設営しなくちゃいけないみたいですね。
じゃあその辺の話って、今日の大会後に小太りさんは少しだけでも時間ありません?

小太りは、呆気にとられて
終わった後でしたら・・・


C君母は、
ありがとうございます!
じゃA君母も大丈夫よね?
また後で!

と、なかば強引に予定を組んだ。


5年生の試合が始まった。
第2試合にはAチームが出場し、隣のコートの第3試合にBチームの初戦となっていた。

Aチームの相手は、今まで負けたことのない地区では下の上くらいのチームだ。
ベンチには、ちっちゃいコーチ、監督、小太りが並び、メモを取っている。

試合が始まった。
開始直後、キャプテンであるトップ下の子が、PAよりもだいぶ手間で豪快にミドルシュートを放ったが、残念ながら、バーに跳ね返された。
ただ、この一発は威嚇として十分すぎたため、トップ下の子は以降フリーでもらえなくなってしまう。

試合は圧倒的に支配していたため、時間が経つと相手チームは攻撃する気が無いと思われるくらい引いて守備していた。
これはAチームの苦手なカウンターが決まらない展開だった。
前回の課題は相手が引いてポゼッションを取り、DFのうらを狙われるためフォーメーションが伸びきってしまったが、今回は相手が完全に引いて守ったため、カウンターにならないという形だった。
これはチーム力があがったためでもあるが、彼らは打開策を多くは知っていない。
さっきのように、こっちも引いた位置からミドルを狙えればいいのだが、個で勝ててしまう事により欲が出て、ボールを前線に繋ごうとしてしまう。

前半は0-0で終わった。
ちっちゃいコーチは帰ってきた選手が水を飲むと、きつい表情で言った。

トップ下のキャプテンには、密集地帯に入り込む愚行を叱り、合わせて全体が攻撃を焦っている事を注意した。
続いて攻撃陣のうち、右サイドには広がる指示を出したが、左サイドのA君には別の事を言った。
相手のDFを誘え。
これは、長くサッカーをやっていればそれほど難しい話ではない。
要するに相手の密集したDFに穴をあける動きをしろとの指示だ。
だが、4年生からサッカーを始めたA君は、誘ったその先の目的がわからなかった。

後半が始まった。
相手チームは開始直後から引き始めた。予選リーグは引き分けによる勝ち点もあるので、引き分け狙いも戦略としてありだ。
違うところは、前半センターバックに位置していた子が、トップになっていたこと、それ以外では前線のマークの意識が強くなっていたことだった。

後半もポゼッションは明らかに上だった。
たまに相手のゴールキックがDFの頭を超すが、ピンチになるような事はなく前半同様に膠着状態が続いた。

この間、ちっちゃいコーチがA君に指示を出していたが、A君は頷いてはいるが、コーチの指示に合っていないようで、繰り返し指示されていた。

均衡は突然破れた。
右前のトレセンメンバーが、相手コーナー付近から2人を抜いて、もう一人のトレセン組のトップの子に絶妙なマイナスのパスを出した。
トップの子はこれまで相手DFを背負わない形でボールを貰っていなかったので、とっさの事でトラップしてしまう。
ゴールまで10mを切る場所でトラップしてしまったことで、ゴールキーパーの詰め寄りを許してしまい、慌ててシュートしたボールはキーパーが倒れた腹部に収まった。

キーパーはすぐに立ち上がり、キックではなく右前方、A君のうらにスロー。
これを右サイドバックの選手が、DFのうらにロングキックし、DFとキーパーの間に落とした。
相手チームのトップの子とセンターバックが身体をくっつけながら、ボールを追ったが、身体の大きさから相手トップの子がタッチ。
キーパーとの1対1になったが、遠目からシュート。
キーパーの右手に触ったものの、ボールは左隅に転がって、この試合の初得点が相手チームに入った。
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